≪食産耕房の野菜栽培≫

滋賀、近江八幡。
その琵琶湖畔の1.25haの農地で、
自然の営みや循環、保全に取り組みながら
野菜本来の味を追究し、
農薬・化学肥料・除草剤に頼らない野菜を栽培しています。

農薬や化学肥料を使わない、を選ぶということ

『カラダにおいしい』をモットーに、
安心で安全な野菜の生産を目指しています。

「食べておいしく安全なものは何か」
「豊かな土壌、環境に優しい栽培とはどういうものか」

ひとつの基準として
作物の育成に必要な成分の硝酸態窒素値を成果物から計測し、
必要分以上の含有量の削減や過剰な施肥をおこなわないなど
作物の安全性を確認しています。

      
       〇窒素は土や水、空気中などに広く存在する成分です。
        肥料として施肥された窒素は微生物などに分解され、硝酸態窒素やアンモニア態窒素となり植物に吸収されます。

        植物の育成に欠かせない成分ではありますが、過剰な施肥で植物がたくさん吸収した結果、収穫後の農作物に残留することがあります。
        硝酸態窒素は使用量の基準を守れば人体に影響がでることはありませんが、人の体内で亜硝酸態窒素に還元されると病気の原因や
        発がん性のある物質に変化するという可能性を示唆されています。
        野菜の苦みやエグみの原因でもあり、窒素過多の結果、虫がつきやすくなったり病気になりやすかったりと農作物の育成が阻害されます。

        (虫の食害や病気に抵抗するため、植物がファイトアレキシンという抗菌物質を生成することがあります。
        この物質は種類によって人体にも有害であるため、農薬や化学肥料を使わない栽培を選んだ私たちも気を付けなければなりません。)

        また、硝酸態窒素は土に吸着しにくく、畑に過剰に施肥をおこなうと雨水などによって溶けだした成分が地下水や川に流れ出ることもあります。
        飲み水としての利用や生態系への影響を考えると、畑周辺への流出には配慮が必要となってきます。

取り組みのひとつとして―資源循環型、環境保全型農法への想い

農薬・化学肥料を使っていない農作物を
感覚的に安心・安全と謳うフェーズは過ぎ、
具体的にその中身が重視される時代になってきています。
農作物を作る圃場、その周りの環境は地域によって違い、
その地にあった方法を模索しながら栽培に取り組んでいくこと、
更に、
生産環境として農地や周囲の自然を守っていくことも
必要であると感じています。

農作物のみに焦点を当てるのではなく、
生産・栽培するために借りている自然の力に対して
還元できることにも重きを置いています。

有機栽培を基本とし、おからや牛糞、
琵琶湖周辺で刈られた雑草や雑木、
駆除された外来魚を堆肥化したもの、
野菜の残渣、木質の端材チップ、米糠、籾殻など、
地域で産出される有機物を土づくりに活かしています。

土の中にはたくさんの生物や土壌菌が生息しており、
それぞれの役目を持ってそこで生き、
自然の力として作用することで健やかな土壌が生み出され
継続されていきます。
この働きは野菜の生産にも欠かせません。
『農作物を育成する』ために、
『農産物を育成するための環境を整える』ことが
大事だと考えています。

もともと土からできたものを過不足なく土に還し、
それによって新たな生産物の力にする。
特別な何かを取り入れなくてもその循環が当たり前にあって
共生していける。
生物多様性の環境を培い、
共にこの生物たちを守る保全という考え方は、
農地に留まらず地球全体の問題として踏まえていく必要があり、
今後の人々の生活・命を保証するものであると
思っています。

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